ブックタイトルTAGEN FOREFRONT 01
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TAGEN FOREFRONT 01
NAKAMURA, Takashiもうひとつの素材技術先導プロジェクト「希少元素高効率抽出技術」中村崇1948 年、福岡市生まれ。九州大学大学院工学系研究科博士課程冶金学専攻単位取得退学。九州工業大学工学部講師、九州工業大学工学部教授、東北大学素材工学研究所教授、東北大学物質科学研究所教授、資源変換再生センター長、2009 年4月より現職。http://www.tagen.tohoku.ac.jp/labo/nakamura/index.html 我が国のハイテク製品を支えているレアメタル、つまり希少元素の供給は、世界的に需要が大きくなっていると同時に、資源を持っている国の供給抑制策により、供給不足や価格高騰にさらされています。このレアメタルの確保は今後のハイテク製品の安定的な製造における重要なポイントとなっています。その中で、希望の光のひとつとなるのが 「都市鉱山」です。聞き慣れない言葉ですが、都市でゴミとして大量に廃棄される家電製品などの中に存在する有用な資源(レアメタルなど)を鉱山に見立てたものです。我が国には有用金属を多量に含む廃棄物(「都市鉱山」)が多量に存在します。そこから資源を再生し、有効活用しようという動きが始まっています。 近年の産業界では、レアメタル価格の暴騰などにより、廃棄された携帯電話やパソコンの部品から希少資源を回収するなどの対策が進められており、都市鉱山という概念が再評価されています。 この「都市鉱山」という概念は、東北大学選鉱製錬研究所の南條道夫教授らが提唱したのが最初です。その後、中村崇教授のチームによって、都市鉱山開発のための人工鉱床計画などの構想が生まれています。東北大学は「都市鉱山」開発の中心的存在と言えます。 そして、平成24年度から中村崇教授を中心として、「東北発 素材技術先導プロジェクト」(素材技術研究開発拠点形成事業)のひとつとして展開される「希少元素高効率抽出技術」がスタートしました。 都市鉱山を対象とし、廃棄物からの物理的な分離・選別技術、新しい希少元素の抽出・分離技術および反応解析を含む応用技術を研究し、その連成による「元素循環の科学」を確立することを目指します。都市鉱山からの希少元素の回収・再生への応用に結びつけることを目標としてプロジェクトは進行しています。 この「都市鉱山」からの回収・再生(元素循環)による希少元素の資源確保は、日本のハイテク製品の優位性を決定づける重要な要因です。 そのために今回、産学との連携を強化し、具体的な形で希少元素の回収・再生ができる大型プラント開発を目指します。東北地区に新たな産業が生まれることが期待されています。プロセスシステム工学研究部門 国内産業の持続的発展に必要不可欠である非鉄製錬 エネルギーシステム研究分野 教授業の活発な状態での持続と金属資源の効率的な循環に向けた研究活動を行っている中村 崇研究室。具体的には、非鉄金属製錬業を基盤とする金属資源リサイクル、廃棄物の無害化処理技術、エネルギー回収、処理過程における低環境負荷技術の開発ならびに社会基盤システムの開発を行っています。さらに、物理選別技術など化学熱力学のみでは対応できない技術課題へも積極的に取り組んでいます。