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概要

TAGEN FOREFRONT 01

産学連携の中から新たな展開が生まれる栗原研究室独自のナノ界面評価技術を基盤にして強力な産学の連携による新たなるパラダイムシフトへ設計グループ・計測グループシミュレーショングループの3 つのグループ連携高性能電池の設計ナノインプリント技術の高度化高潤滑システムの設計よく食べ、よく笑い、よく研究するをモットーにしています。 研究室でセミナーがあると、終わったあとにピザでも食べようかと、買いに出たりします。3 時間もやると疲れますから。やっぱりワイワイ言いながら食べるのって楽しいし、ホッとします。 研究室のモットーは「よく食べ、よく笑い、よく研究する」。よく研究するのはなかなか大変ですけど、よく食べ、よく笑っていれば大丈夫だろうと思います。 毎年、修士以上の人は研究を発表する「追い出しセミナー」を開催しています。オープンにしていて研究に関心のある人にアナウンスしていて、卒業生も来ますし、企業からも来ます。 オープンなカタチでの研究発表。こういうものが、産学のネットワークづくりの基盤になっているのかも知れません。不透明試料が測定可能なツインパス法により表面間距離を決定しながら、表面力・共振ずり測定が可能な装置。従来型表面力装置では難しかった金属、セラミック、高分子などの実用試料において、表面電荷や吸着状態等の界面特性、およびナノレオロジー・ナノトライボロジー評価等が可能である。います。そのために、設計グループ・計測グループ・シミュレーショングループの3つのグループ連携により進められています」。①設計グループは 、摩耗面形成及び摩耗粒子発生過程ならびに摩耗面のその場観察・分析装置の開発を行います。なじみ過程におけるナノ界面形成機構の解明を行い、超低摩擦発現ナノ界面の最適化設計を行います。②計測グループは、摩擦条件下における潤滑油・添加剤の作用を基材の表面特性も含め分子レベルで解明する手法の開発、標準化を行い、基材・潤滑油・添加剤の作用の解明を行います。③シミュレーショングループは、摩擦下での界面反応を解明可能な量子分子動力学法に基づくトライボシミュレータを開発。摩擦下での界面反応がなじみ、低摩擦特性、潤滑不良、摩耗、劣化などに影響を与えるトライボ現象の解明により、油潤滑、水潤滑、固体潤滑の摩擦界面反応についてシミュレーションによる解析を行います。 今回のプロジェクトの特徴は、機械と材料の研究者、そして産業界の技術者がともに協働して、超低摩擦技術の開発を目指すこと。何よりも産業界との連携がポイントとなると言います。 「トヨタ自動車、トヨタ自動車東日本、アクロス、協同油脂、デンソー、日立製作所などの企業が参加。技術課題を各企業からもらって具体的な研究してます。産業界までつながる一気通貫した協働研究チームとして東北大学が核となってコーディネートすることによって、経験的な摩擦という現象を産業化も推進できるトータルな科学技術として進化させていきたいと思っています」。 栗原研究室では、並行して大学発グリーンイノベーション創出事業「グリーン・ネットワーク・オブ・エクセレンス(GRENE)」を現在実施しています。このプロジェクトは学学連携(知の集積ネットワーク)であり、このプロジェクトにより、様々な基盤研究をする大学との連携も生まれています。この産学連携‐学学連携という立体的な連携体制により、トラボロジー分野に新しいイノベーションが生まれることが期待されています。ナノインプリンティング技術の高度化、高性能電池の設計などの展開も考えられます。 「機械と材料の融合によるトラボロジーの進化にはトラボロジー学会からも注目されています。得られた知見を基に、目的に応じた分子設計指針の基盤を確立し、高潤滑システムなどの環境に優しいソフトマテリアルの開発に貢献していきたいと思っています」。 栗原研究室で強みとしているものが、表面力測定法を中心手段とするナノ界面評価法。“力”を観測量として表面や界面の分子レベルでの特性、ならびに物質及び分子間の相互作用を具体的に理解することにより、新しい物性研究分野を拓いています。  「独自に開発した手法としてツインパス型表面力・共振ずり測定装置があります。2つの表面間に液体を挟み、2つの表面間に働く相互作用力(斥力、引力、接着力)を表面間の距離を変えて直接測定するというもの。この表面力・共振ずり測定法は、固‐液界面や限定空間の液体中で起こる現象の解明に非常に有用です。液体薄膜の構造化挙動やナノレオロジー・ナノトライボロジーを高感度で評価できます」。 このツインパス型表面力・共振ずり測定装置には、もうひとつ効果的な特長があります。従来の表面力装置では試料に光を透過する必要がありましたが、反射型の干渉法を導入したこの装置だと不透明基板、試料の評価が可能となっています。様々な機能材料の評価が可能となり、研究の範囲も広がっています。蛍光分光法や電気化学計測との複合化にも取り組んでおり、この測定法の高度化により、分子レベルでの理解が進み、最適な摩擦・潤滑のための分子設計への期待も広がります。 「他の研究室にはない世界唯一の評価方法です。今は技術移転して販売されていて受注生産できます。この機器を使い、高性能な潤滑油の生産を行う企業が生まれることを期待しています」。 「このプロジェクトのミッションは、ナノ界面の評価に留まるものではありません。機械・材料科学分野における材料創成、超潤滑ナノ界面の最適化技術の開発を目指してツインパス型表面力・共振ずり測定装置相対運動をしながら互いに影響を及ぼし合う2つの固体表面の間に起こる様々な現象。例としては、機械部品における摩耗や焼付きなどが挙げられる。部品の材料だけでなく、機械の運転条件や動作環境にも影響される現象である。トライボ現象一般的に液体は固体表面間のナノメートルオーダーの狭い空間に閉じ込められると、固体表面との相互作用や閉じ込めによる分子の運動性の低下により構造化することが知られている。液体薄膜の構造化挙動レオロジーとはナノ空間における物質の変形と流動性(粘弾性)に関する科学であり、近年の微細化している機能材料界面において特に重要となっている。ナノレオロジー低炭素社会の実現を目指す技術革新のこと。新市場・産業の創出への期待もあり、材料及びナノテクノロジーに基づく環境エネルギー技術の研究・開発によるグリーンイノベーションが期待される。グリーンイノベーションインクジェットと類似の方式で、デバイス原料となる機能性液体の微小液滴を高精度にパターン形成させて乾燥し、微細な電子デバイスを作製する技術。ナノインプリンティング栗原研究室で開発された評価機器。技術移転して販売されていて受注生産できます。この機器を使い、高性能な潤滑油の生産を行う企業が生まれることが期待されています。ナノ界面化学研究室のメンバーとともに、ナノの世界を解明していく研究が続いています。経験的な摩擦という現象を産業化も推進できるトータルな科学技術として進化させていくための研究が続いています。HDドライブマイクロ・ナノマシン機械の境界潤滑表面力装置(SFA)模式図表面力測定:2つの表面の間に働く相互作用力の距離依存性を測定するもので、力の起源の解明に威力を発揮します。SFAでは、光干渉法により距離0.1nm、力10nNという分解能で測定できます。共振ずり装置模式図セミナー終了の打ち上げ後