4 切 断

 市販のガラス管の長さは150mm程度であるが、長いままでは細工しにくいだけでなく、けがの原因にもなるので、作る物の大きさに合わせてガラス管を切断しなければならない。また、熱加工後不要になった足場(5 熱加工参照)を切り取るなど、切断はガラス細工の基本的な操作の一つである。切断の方法にはガラスが引張り応力に弱いことを利用した方法、熱衝撃による方法、機械的な方法がある。

1) 手折り法

図4-1 手折り法

    �@         �A            �B

 直径15mm程度までの管を切断するのに用いられる。手順は、�@管の外壁にヤスリで傷を付ける。�A管を図4-1�Aで示すように両手でにぎり親指を傷の反対側にそえる。�B両側に引くようにして折る。

2) 急熱法

図4-2 急熱法

(1)熱した棒をヤスリ傷から3~4mmはなして押し当てる。

(2)ひびが伸びる。

 �@ガラス管にヤスリで傷を付ける。�A細いガラス棒あるいは金属棒の先端を強く熱し、図4-2に示すようにヤスリ傷の先端から3~4mmはなれたところに押しあてる。急熱されることによりひびが伸びる。�B太い管の場合には一度でひびが全体に入らないので、できたひびの先に�Aの要領で加熱した棒をあててひびを伸ばす。ひびの伸びる方向を加熱したガラス棒等で誘導するので誘導切りともよばれる。ソーダ石灰ガラスの瓶を切るときは、ヤスリ傷の上に電流によって赤熱したニクロム線等をあてて一周させて切ることができる。

3) 急冷法

 �@ガラス管にヤスリで傷を付ける。�A細いガラス管を回転させながら強くて細い炎でヤスリ傷の上を加熱する。ニクロム線を巻いて電気的に加熱してもよい。�B加熱後直ちに濡らした布等で冷やす。

図4-3 小型カッター

4) 機械的切断法

 小型のものはダイヤモンドやカーボランダム等の粒子を付けた円盤を高速回転させ、それにガラスを押し付けて切断する。工場等で大型のガラスブロックなどを切断するときには帯鋸式のダイヤモンドソー等が使われる。