南後研究室 東北大学多元物質科学研究所 量子ビーム構造生物化学研究分野

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研究内容

概要

生体分子が起こす反応や構造変化を原子レベルで可視化する測定技術の開発に取り組み、更に得られた動的構造情報を基とした新たな分子設計と創製を目指しています。

細胞情報伝達、生体内触媒反応など、生命現象を支える重要な生体構成物質であるタンパク質の立体構造はその機能と深く関連しており、機能を発揮する際にどのような構造の変化を起こすのか興味が持たれてきました。しかし、タンパク質が高速の時間スケール(フェムト秒~ミリ秒)で動く様子を原子の動きまで詳細に捉えるには新たな技術が必要です。当研究室では、X線自由電子レーザー、放射光などの量子ビームを用いて、タンパク質の中で実際に起こっている化学変化や構造変化を“動画”として可視化する技術開発を行い、光感受性タンパク質の反応機構やユニークな反応を触媒する酵素の反応機構解明に取り組んでいます。また、得られた精密な構造情報を基にタンパク質分子の合理的設計と新機能をもつ分子の創製を目指します。

研究テーマ

1. タンパク質構造解析法の技術開発

  1. (総説)Pump-Probe Time-Resolved Serial Femtosecond Crystallography at SACLA: Current Status and Data Collection Strategies
  2. (総説)SACLAにおけるシリアルフェムト秒結晶構造解析の現状と展望
  3. (プロトコール)シリアルフェムト秒結晶構造解析のための試料調製法:バッチ法による微結晶化と高粘度媒体を利用した結晶送液方法について
  4. (プレスリリース)SACLAでの構造解析に必要な結晶の量を数百分の1に-パルス液滴法によるタンパク質微小結晶の構造解析に成功-
  5. (プレスリリース)連続フェムト秒結晶構造解析のための結晶供給手法を開発-少量の試料で多様なタンパク質の結晶構造決定がSACLAで可能に-

2. 高速分子動画法を用いたタンパク質構造解析

  1. (総説)XFELによる光受容タンパク質の構造変化の追跡
  2. (総説)X線自由電子レーザーで捉えたバクテリオロドプシン構造変化の三次元動画
  3. (プレスリリース)フェムト秒スケールのタンパク質分子動画 -光で応答するタンパク質の超高速反応の仕組み-
  4. (プレスリリース)タンパク質中の原子の動き、自由電子レーザーにより動画撮影に成功-光によって水素イオンを輸送する仕組みを解明-

3. 動的構造情報に基づく合理的分子設計

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