(お詫び)

前回、4/27の講義で、分子式と組成式を反対に書いてしまいました。全�くの逆です。訂正する�とともに心よりお詫び申し上げます。

分子式とは、単体または化合物を構成する分子の組成を表す式で、組成式は�あまり馴染みのない言�葉ですが、分子式としてNaClとか、Feとか表すと嘘になるので、便宜上使われる式です

平成11427

小テスト&基本調査

裏面を使用してよい。

番号[               ] 氏名�[                  ]

1.平衡論、速度論について知っていることを書け。

(略)

2.モル(mol)の定義を述べよ。

(略)

3.化学ポテンシャルとは何か、書け。

(略)

4.コップに液体を入れるとメニスカスができる。液体によってはできない�場合もある。この理由�を考察せよ。

 

メニスカスは、水をコップに入れると、水面のコ�ップ壁からやや離れた距�離に水の盛り上がり(図の左側)や逆にに水面が盛�り上がったような格好になるもの(図の右側)�で、この原因は、水とコップ�の壁に働く表面張力である。表面張力は、水滴をガラス表面などに落�とし�て、水玉ができたときに測定することができる。表面張力の駆動力は、この�水玉の内部と外部�の圧力差である。

メニスカスはこのように、溶媒と固相の間で必ずみられる現象であるが、溶�媒の種類ととけ込んで�いる物質に依存する。たとえば、界面活性剤(石鹸と�か)を添加するとメニスカスの様子は著しく�変わる。

 

5.緑茶と牛乳で酷似した物理化学現象はなにか。できれば、その現象を化�学的に説明せよ。

 

どちらも、コロイド溶液である。

微粒子が安定分散している。

○ ペーパ-クロマト的効果がある

○ チンダル現象が見られる

○ 塩か何かを入れると沈殿する

 

分散と凝集

コロイドが分散するためには、粒子間に反発力が、凝集するためには、引力が働いていなければな�らない。反発力=静電的相互作用 引力=van der Waals引力

この2つの力あるいはエネルギーの和によって、2つの粒子間に働く、力あ�るいはエネルギーが決�まる。

緑茶や牛乳は、粒子間の反発力が強く、安定分散しているものと考えられ�る。

 

化学結合との相違

化学結合は、共有結合とイオン結合に代表されるが、それとは異なる、分子�間力や水素結合などに�よって支配されているのが、コロイドである。バター�などがコロイドの一種といってもなかなか理�解できないが、分散媒(コロイ�ド粒子以外の部分、たとえば、たばこの煙は、分散媒が空気であ�り、コロイ�ドは煙自身)中に分子間力などの力で支配されてコロイドが分散している、�と考えれば�理解できるだろう。

一方、化学結合は

グルコースなどのように水に溶かしても分子状で解けているものが代表例と�なろうが、グルコース�にしても完全に分子状というわけでもない、一部分は�解離(プロトン=水素イオンが解けでてい�る)している。

たとえば、NaCl(食塩)に代表されるように、一分子を得ることはできないような、イオンの固�ま�りをイオン結合と呼んでいる。水に溶かすと、ナトリウムイオンと塩素イオンに解離するが、こ�れ�は解離平衡に依存している。つまり、食塩といえども、イオン結合だけというわけではなく、一�部�分は解離しないで分子状になっているものもある。

このように、共有結合、イオン結合といっても完全なものはなく、多くの物�質はこれらの中間的な�結合である。

共有結合性が強い分子は、グルコースのようにC6H12O6と分子式でかけるのに対し、イオン結合性�の物質は、分子式で書くことはできず、NaClにように組成を代表して表すしかない(組成式)。

ただ、Fe,Coはどうするんだろう。ってことで、金属結合がある。これは共有結合の近いが、自�由電�子が飛び回るという特殊な性質を有しており、この場合は、一分子を記述することはできな�い。

 

では、コロイドは何だろう。

これは、多くの分子の集合体とか固体が浮遊しているもので、コロイドが凝�集したり分散するとき�にはこれら、共有結合、イオン結合、金属結合は関係�なく、ほとんど分子間力などの弱い力によっ�て左右される。今後、この作用�について理解を深めよう。

 

(参考)

古来のコロイドというと、水に分散している泥のようなものを指していた。�が、科学の進歩によ�り、実際に見るということが原子のレベルまで可能にな�った現在、コロイドと分子を分ける最終線�は何か、が問題となっている。コ�ーヒーなどは目でみたところは溶液なのだ。でも、実際にもっと�拡大してみ�ると、コーヒーの味や色を構成する多くのコロイド粒子で構成されている。

たとえば、上記のグルコースはコロイドではない。しかし、牛乳の蛋白はコ�ロイドといわれる。突�き詰めれば、差異があるのは、大きさだけになってし�まう。それではどの大きさからコロイドとい�うかという問題が残る。そこ�で、最近のコロイド化学では、そのコロイド粒子の分散凝集挙動が、�いわゆ�るコロイド化学の理論で適用できるものを指すことが多くなった。言い換え�れば、分散媒の�存在下、分子間力などの力に支配されている系をコロイドと�いうことになってきたのである。ただ�し、コロイドの理論は分子やイオンに�も通じるものがあり、分子分散系とコロイド分散系はその境�界線が一層不明�確になっているのも確かである。