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ひとりごと その4


2010年05月1日(土)
玉鳴号のコーヒーはおいしい!
今朝も、玉鳴号で煎れたおいしいコーヒーを頂いた。
なぜおいしいか

コーヒー豆のゼータ電位曲線が右の図だ。
一般にコーヒー豆は弱アルカリ性の水の方がいいのだが、その理由はこの図に示したように、煎れたときにお湯の中に拡散するコーヒー豆粒子が分散しやすいからなのだ。

酸性の方にいくと、コーヒー豆粒子は凝集して沈殿しやすく、分離しやすくなる。
コーヒーをコーヒーとして飲むには弱アルカリ性水の方がいいのだ。

なぜ、コーヒー粒子は酸性で凝集してしまうのか。
ここで、粒子の凝集、分散について補足しよう。

ビールの泡(写真)や牛乳の乳脂肪(図)も粒子=コロイドである。
このコロイドは通常不安定ですぐに凝集してしまう性質を持っている。

たとえば、サイダーの泡や雨滴もすぐに合一して、気体や雨になってしまう。

油と水も同じで、水の中に油をいれると、すぐに合一してしまって、油と水は分離してしまう。

同じことが多く生活のいろんな場面で起こっているのだ。

ではなぜビールの泡(写真)や牛乳の乳脂肪(図)が安定に分散して、それぞれ泡をおいしく、牛乳をおいしく飲めるのか。

ビールの泡がサイダーと違って安定しているのは、泡の表面にホップと麦芽由来のフムロンや塩基性アミノ酸が吸着し、分散剤的な働きをしていると言われている。
このアミノ酸のような働きを、「界面活性作用」と呼ぶ。
つまり、石けんや洗剤で油汚れを落とすことと同じ。油汚れを洗うときに、食器用洗剤を使うと、油が水とよくなじむようになる。これが界面活性作用だ。

牛乳の場合は、右図のように、乳脂肪の周りにたんぱく質やアミノ酸が取り囲んで、脂肪という油分が安定に水に分散するような仕組みになっている。小さなコロイドを作ることで、赤ちゃんの胃腸での吸収がスムーズにおこる。
界面活性剤を使わないで、粒子=コロイドを安定に分散するにはどうすればいいのか。
その鍵が、ゼータ電位とpHの関係にある。
右の図は、シリカ(酸化ケイ素)粒子=コロイドの蒸留水中におけるゼータ電位。
pHが約3より大きいと、マイナスになっていることがわかる。

ゼータ電位とは、粒子の表面に荷電されている電位で、大きいもので 100mV程度ある。
静電気に似ているが、静電気は導通させると消えるが、ゼータ電位は物質が本来持っている電位なので消えない。
上記のビールの泡や乳脂肪もその表面にゼータ電位を持っているのだ。

正確に言うと、ゼータ電位ではなく「表面電位」なのだが、測定できる物理量は「ゼータ電位」だけなので、世間一般にゼータ電位と呼んでいる。
上の図を見てわかるように、pHが大きいとゼータ電位は負の電位をもって、その値は、-50mV以下だ。ということは、表面の電位の絶対値は50mV以上もっているということである。

この絶対値が大きいので、同じように表面に同じ符号の電位を持っている粒子と粒子は、静電的に反発して凝集しなくなる。
粒子=コロイドは本来凝集してしまう性質なのであるが、この表面電位のために、静電的反発力で凝集しなくなるのである。

逆に、電位がゼロ0になるpHでは、電位がなくなるので、もっぱら凝集してしまう。
このpHを等電点と呼んでいるが、等電点付近では凝集し、等電点から遠く離れると、分散するということになる。
(これを数値化して議論した理論を DLVO理論と言う)
コーヒー豆の粒子は、表面の電位、ゼータ電位が、pH 4以上で、負の電荷を帯びていて、特にpH 9以上ではその絶対値が大きいので、凝集することなく分散するのだ。

凝集しないことから見かけの粒径(粒子の直径)は小さいままなので、舌にざらざら感がなく、スムーズな飲み物であり、コーヒー本来の味覚を舌先で得ることができるのだ。
 
玉鳴号のコーヒーがおいしい!
それはもう真実である。
実はうちでは、毎朝、玉鳴号の水でいれたコーヒーを飲んでいる!
本当に、おいしい・・・
 
そして、コーヒーを作る女房殿、曰く
「玉鳴号の水は、コーヒーメーカーの中に何も残さないので、本当にいいのよ」
と。
つまり、
硬水などで生じる、炭酸カルシウムの白い結晶が出てこないのだ。
カルシウムイオンがほとんどないことが、コーヒーメーカーでの珈琲抽出での利点になっているのである!
これも、玉鳴号の隠れた実力といえるだろう。
 
普通のアルカリ水ではない、温泉水の玉鳴号。
コーヒーメーカーにも優しく、
だから、心にも、胃にも優しい、
素晴らしい、朝の珈琲タイムが・・・
 
なんて贅沢なんだろう・・・