研究紹介

TOPページ >  研究紹介

“超臨界アンモニアへのガリウム化合物の溶解度”

窒化物半導体は電気工学装置に適した材料として注目されています。特に窒化ガリウム(GaN)を用いたレーザーダイオード(LD)や青色発光ダイオード(青色LED)が実用化され始め、また高輝度青色LEDを用いた白色全固体照明も環境調和、省エネであるとして実用化され始めています。現在さまざまな結晶成長法によりGaNの単結晶育成が試みられていますが、その中でも比較的低温低圧の方法である安熱法が注目されています。安熱法のプロセスにおいて出発物質の溶解度が重要なパラメータであり、超臨界NH3中へのGaNの溶解度を測定することを研究目的としています。

[キーワード] 溶解度, 結晶成長, 窒化ガリウム


“イオン液体の合成及び有機反応への応用”

近年の有機合成分野における関心事のひとつは、既存の工業的製法に代わるような環境に優しい反応プロセスを考案し、いかに効率的に目的の物質を製造するかということです。イオン液体は不揮発性かつ有機溶媒としての性質を持つため、有機合成反応の触媒として利用されることが期待されています。溶媒に超臨界CO2、触媒にイオン液体を用いた有機反応は環境に優しいプロセスとして考えられており、当研究室ではそのプロセスを確立することを目指しています。
[キーワード] イオン液体, CO2, ε-カプロラクタム


“イオン液体を溶媒としたマイクロ波加熱有機合成プロセスの開発”

マイクロ波加熱は物質にマイクロ波を照射して加熱する手法です。マイクロ波の吸収は物質とマイクロ波との直接的な相互作用によるものであるので有機反応においてマイクロ波加熱は従来の方法と比較して高効率で反応時間を大幅に短縮することができます。化学工業では省エネルギー、省資源など環境負を低減するための革新的な化学反応プロセスの開発が必要とされています。そこで、イオン液体を溶媒に用いたマイクロ波加熱による新規プロセスの開発を目指しています。

[キーワード] イオン液体, マイクロ波加熱


“イオン液体+CO2系の輸送物性測定及び推算”

イオン液体は蒸気圧がほとんどなく、大気中へ放出されないことから有機溶媒に代わる新規溶媒としての研究が盛んに行われています。生成物は超臨界CO2により抽出することができ、グリーンプロセスとして注目されています。このようなプロセスの設計においては任意の組成、温度、圧力における諸物性値が必要になります。そこで当研究室ではイオン液体+CO2系の粘性率、熱伝導率を高い精度で測定し、推算式、相関式の開発を行っています。
[キーワード] イオン液体, CO2, 粘性率, 熱伝導率