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[Publication] 一次元フラストレート磁性体LiCuVO4におけるマグノン束縛対のダイナミクス

Nawa1_f1強磁性的な最近接サイト間の磁気的相互作用J1と反強磁性的な次近接サイト間の磁気的相互作用J2が競合するS = 1/2の一次元J1–J2フラストレート磁性体は 磁気的相互作用の競合によってスピン密度波相やスピン・ネマティック相などの多彩な磁気相を示すとして興味がもたれている。LiCuVO4はそのような一次元J1–J2フラストレート磁性体の典型物質である。本研究ではLiCuVO4のスピンダイナミクスを核磁気共鳴法(NMR)によって初めて系統的に調べた。51V核と7Li核の1/T1を詳細に調べることにより、磁場に垂直なスピンゆらぎにエネルギーギャップが開いているが磁場に平行なスピンのゆらぎがギャップレスとなった異方的なスピンのゆらぎが発達していることが分かった。外部磁場を大きくすると磁場に垂直なスピンゆらぎにおけるエネルギーギャップは増大し、磁場に平行なスピンゆらぎは徐々に抑制される振る舞いを示した。このようなスピンダイナミクスの磁場依存性は一次元J1–J2フラストレート磁性体に理論的に期待される振る舞いと合致しており、磁場に平行なスピンゆらぎと競合するスピン・ネマティック相関が強磁場中で発達することを支持している。

対称性を上手に利用することで磁場に垂直と平行なゆらぎを選択的に調べることができる点がポイントです。フランス強磁場研究所との共同研究成果です。時間がかかりましたが無事論文になりました(文責:那波)。

 

Kazuhiro Nawa, Masashi Takigawa, Steffen Krämer, Mladen Horvatić, Claude Berthier, Makoto Yoshida, Kazuyoshi Yoshimura
Dynamics of Bound Magnon Pairs in the Quasi-One-Dimensional Frustrated Magnet LiCuVO4
Physical Review B,96(13),134423(6)(2017.10)
DOI:10.1103/PhysRevB.96.134423

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