フラストレート系のガラス挙動は典型的なランダムスピングラスのそれとどう違うのでしょう？先日も問いかけたこの問題ですが、最近ガラス状態のメモリー効果の詳細を測定することで、すこし分かった気がしました。メモリー効果とはガラス状態中のある温度でゆっくり待つとどういう訳かその待ち時間・温度をガラス状態が記憶していて、後ほど待ち時間・温度を読み出すことができる、というとっても不思議な効果です。我々はフラストレート磁性体のガラス状態でのメモリー効果を詳細に測定しました。すると、ランダム系に比較してフラストレート系ではメモリー効果が劇的に抑えられていることが分かりました。このことはフラストレート系のエネルギーランドスケープが階層的ではないことを意味しています。まぁ、忘れっぽいということですが、、、
Anjana Samarakoon, Taku J. Sato, Tianran Chen, Gai-Wei Chern, Junjie Yang, Israel Klich, Ryan Sinclair, Haidong Zhou, and Seung-Hun Lee,
Aging, memory, and nonhierarchical energy landscape of spin jam,
Proc. Natl. Acad. Sci. USA 113, 11806-11810 (2016)
doi: 10.1073/pnas.1608057113
そういえばプレスリリースもしてみました。ご興味のある方はどうぞ：
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