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[論文] 298Kにおける塩酸溶媒中のコバルトクロロ錯体分布の決定

abstractGraphics 溶媒抽出法・イオン交換法は、金属の分離・精製のみならず、水の精製、工場排水の処理など多くの用途で使用されている。近年は、特定のイオンの選択性を高めた吸着剤・官能基の開発が盛んである。吸着反応・交換反応は、官能基の特性に依存すると共に、吸着前の水溶液中でのイオンの分布にも強く依存する。しかしながら、熱力学的解析はいまだ充分ではない。

そこで、本論文では、塩酸溶媒中におけるコバルトクロロ錯体の分布を、紫外可視吸収スペクトルを主成分分析と熱力学モデルのフィッティング解析により決定した。従来、コバルトクロロ錯体は、[CoII(H2O)6]2+、[CoIICl(H2O)5]+、[CoIICl2(H2O)4]0、[CoIICl3]、[CoIICl4]2−の5種類が存在すると考えられていたが、本研究の成果により、[CoII(H2O)6]2+、[CoIICl(H2O)5]+、[CoIICl4]2−の3種類のみが存在することが分かった。

今後の溶媒抽出法・イオン交換法の解析に期待される。

Uchikoshi, M.: Determination of the Distribution of Cobalt-Chloro Complexes in Hydrochloric Acid Solutions at 298 K, J Solution Chem 47: 2021 (2018). https://doi.org/10.1007/s10953-018-0831-z

https://rdcu.be/bbLBZ ←このリンクからも論文を読むことができます。ただし、ダウンロード、印刷はできません。

図 主成分分析と熱力学モデルのフィッティングにより得られたコバルトクロロ錯体の分布とモル吸光係数

 

 

 

 

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