研究紹介

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鉄鋼に代表される各種基盤材料の製造プロセスは、その製造量の膨大さから、資源・エネルギーの消費量も膨大で、これらを抑制し、循環型社会の実現に資するための変革が求められています。その方策として、現行プロセスの高効率化,資源対応の強化,革新的プロセスの開発などがあり、その実現のためには、プロセス内部で生じる現象や原料の反応特性を理解し、新たなプロセスを設計していく必要があります。

本研究分野では、環境適合型のプロセス開発に向けて、各種素材原料の物性値や反応特性の熱力学,熱工学,移動現象論や反応工学などの手法による解明、素材製造プロセスに広く見られる混相流動現象の流体力学,粉粒体工学などの手法による定量化を行い、これらの知見を数値流体力学やMPS法,離散要素法など先端の流動解析手法を用いた熱流体解析の枠組みに組み込むことで、各種素材製造プロセスの数値シミュレーション技術の開発と定量評価・設計に取り組んでいます。

主な研究テーマ

  1. 素材製造プロセスの多相反応シミュレータ開発
  2. 新規エネルギー変換・貯蔵・回収プロセスの開発
  3. 反応・伝熱高効率化のための境膜制御技術開発
  4. 充填層内の分散挙動解明
  5. 鉄鉱石の還元溶融現象の解明
  6. 固体表面の液体流動の解析
  7. スラグ中への石灰高速溶解技術開発

 

素材製造プロセスの多相反応シミュレータ開発

素材製造プロセス内における物質の運動,反応や伝熱の進行を数値流体力学,粉体工学,熱力学,反応工学,伝熱工学や化学工学などの手法を用いて表現し、プロセス内部の温度や組成などの変数の空間的・時間的分布をコンピュータ上に再構成することで、対象プロセスの効率や安定性を評価します。

製鉄用高炉内の温度分布の解析例

 

反応・伝熱高効率化のための境膜制御技術開発

素材製造プロセスにおける、種々の反応・伝熱操作においては、反応・伝熱界面近傍に物質や熱の輸送に対する抵抗となる境膜 (境界層) が形成されます。この境界層を能動的に制御することによってプロセスの効率を大幅に向上させるための基礎的な研究を行っています。

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高速伝熱型潜熱蓄熱槽の試作装置

 

充填層内の分散挙動解明

基盤素材の製造プロセスには充填層型の反応器が広く使用されています。これらの充填層中を流通する液体や粉体などの分散相の挙動が、プロセス全体の効率や安定性に大きな影響を及ぼすことが近年明らかになってきています。そのため、基礎実験や近年開発された新たな手法を用いた数値シミュレーションにより、これら分散相の挙動の解明・定式化を進めています。

図 充填層内の液体滴下挙動の解析例