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お知らせ
夏休み大学探検 2016 「ナノって何なの?」 「ミクロの世界の電子のスピードガン」 を開催しました

2016年8月8日(月)、夏休み大学探検* 2016 の一環として、仙台市内の中学生16名が多元研を探検しました。
はじめに、村松淳司研究所長から多元研について説明を受けてから、ふたつのグループに分かれて、「ナノって何なの?」「ミクロの世界の電子のスピードガン」にそれぞれ参加しました。

「ナノって何なの?」に参加した中学生は、ハイブリッドナノ粒子研究分野で、ナノの世界に関する講義を受けました。
ナノの世界の金の粒子は普通の金と全く違い、ヘキサン(石油の仲間)に分散して濃い赤紫色になる様子をとても興味深く見学しました。引き続き実験室で、研究室のスタッフ、大学院生と共に、金からなるナノ粒子を実際に合成しました。3種類の薬品を混合するだけで溶液が赤紫色になることを体験し、その色がナノの世界の粒子でのみ現れることを学ぶことができました。さらに、ナノの世界を観察することができる透過型電子顕微鏡を使って、自らが合成した金ナノ粒子を実際に観察しました。自ら装置を操りながらナノの世界を覗くことはとても刺激的な体験になっている様子でした。最後に、研究室内のさまざまな分析装置の見学を行い、ナノの世界を知る上では多くの分析装置が必要になることを学ぶことができました。

「ミクロの世界の電子のスピードガン」では、最初に、量子電子科学研究分野の高橋正彦教授による原子分子の研究につての講義を受けました。高橋教授は、全てのモノを構成する「原子」の大きさや構造について、実社会の法則が当てはまらない不思議なミクロの世界について、図や写真を交えながら分かりやすくお話しました。その後、実験室を見学し、研究室のスタッフや大学院生からさまざまな実験装置の説明を聞いてから、光の色を分けて観測する実験に挑戦しました。自分たちで簡易分光器を作成し、蛍光灯とネオンランプの発光スペクトルを観察、比較してから、分光器の仕組みについて解説を受けました。最後に、高橋教授から「今日体験したミクロの世界の研究は知的好奇心が源になっていますが、その成果は、私たちの実際の生活に大きく役立っています。みなさんも、教科書だけに囚われず、自分で興味をもったことを自分の頭で考えて、幅広くいろんなことを勉強してください。」とお話がありました。
参加した中学生は「ますます興味がわいた」などと感想を話していました。

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多元研について説明する村松淳司教授
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ハイブリッドナノ粒子研究分野の実験室にて
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実験室にはさまざまな分析装置があります
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金からなるナノ粒子を合成して観察しました
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ナノの世界を覗くことは刺激的な体験でした
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高橋正彦教授による講義の様子
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分光装置の模型を見学
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実験装置の中も覗いて見ました。
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簡易分光器を作成。正確さを求められる作業です。
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完成した分光器を使って蛍光灯の発光スペクトルを観察

 

*「夏休み大学探検」は、仙台市教育委員会による仙台市内の中学生を対象としたイベントです。東北大学の教員による世界トップレベルの研究について講演を聴いたり、最先端の研究施設を見学したり、実験を体験します。科学の楽しさ・面白さを体験することにより、科学技術に対する関心を高めることを目的としています。

 

関連リンク:
ハイブリッドナノ粒子研究分野
量子電子科学研究分野