7/2  第11回 環境触媒


  1. 講義で使用したスライド, pdf形式 685KB

1. 吸着から触媒反応へ。合成ガス(CO+H2)からのメタノール合成を例にとって、述べよ。
通常、固体触媒(不均一系触媒)では次のように反応が進む
  1. 物理吸着
  2. 化学吸着
  3. 解離(あるいは非解離のまま)
  4. 表面反応
  5. 脱離

合成ガスからのメタノール合成反応を例にとると、
1.一酸化炭素(CO)の吸着

2.水素(H2)の解離吸着

3.表面反応=逐次水素化: 表面で炭化水素種がどんどん水素化されていく


4.脱離
全体では

逐一書くと、


2. アレニウス・プロットと活性化エネルギーの関係を述べよ。

ln(k)と1/Tをプロットすると、本来直線になることを利用して、「みかけの活性化エネルギー」を出すことができる。
「みかけ」というのは、この解析ではどのステップ(吸着や反応のどこ)が律速段階になっているかどうか不明なので、そう表現する。





3. 環境触媒の例を一つ示せ。

社団法人 日本機械工業連合会(広告577,平成12年2月4日掲載)によると、

触媒は、それ自体は反応を起こさずに、気体や流体などが化学反応を起こすのを助ける物質です。これまでも石油の精製や自動車の排ガス浄化に使われてきましたが、最近は環境問題に対する関心の高まりとともに、21世紀の快適環境を創造する切り札として「環境触媒」が注目を集めています。
 これは、日本が世界に先駆けて提起した技術発想で、1)水処理、2)脱臭、3)排ガス浄化、4)防汚・抗菌・殺菌の4分野を中心に、生活・社会・産業環境のクリーン化に役立つ高機能の触媒を指します。現在の市場は推定で約2000億円ですが、2005年には10倍の2兆円規模に急成長すると予測され、多種多様な応用開発が進んでいます。とくに、光をあてるだけで反応活性を示す「光触媒」は、高温超伝導体の実用に比較されるほど革新的な触媒で、日用品から燃料電池まで幅広い用途で環境問題の解決に貢献すると期待されています。                 
とのことである。


詳しくは講義資料を参考にすること。