4/9  第1回 界面電気化学への誘い  基本調査

1. 物理化学に対するイメージを書け
物理化学とは、physical chemistryと書くが、physicalは動きや変化を伴うものと解釈した方がよい。従って、物理化学は動きや変化に関する化学といえる。
物理化学は次のように分類できる。分類によって2つを示す。
・ 界面化学、電気化学、触媒化学
・ 平衡論、速度論
本講義では、界面化学=平衡論(コロイド分散系における平衡論)と、触媒化学=速度論(吸着や表面反応)を講義する。
物理化学とは、生活に密着した化学的現象を論理的に説明する学問であり、決して数式を扱う学問ではない。種々の現象を物理化学的にとらえるとは、論理的に説明するということである。
2. 1モルの定義を述べよ
アボガドロ数個集まった、原子、分子等の全体を1モルとしている。
炭素12gを考える必要はない。
1モルとは我々が考えやすい物理量にしてくれるもので、原子や分子を1つ考えることは、あまりにも小さくて直感的に理解できないので、アボガドロ数個全体を1つに考えることによって理解をたやすくするためのものである。
たとえば、炭素12g(ほぼ1モル)が燃えたとき、CO2がどれだけ出るのか、ということを考えるとき、CO2の分子量が44とすると、44gのCO2が出る、というのは、実感が湧くではないか。
あと、22.4リットルと書く人もいるが、それは明らかに間違い。
なお、アボガドロ数は不変のはずだが、毎年ちょっとずつ変わる。分析法の進歩のためである。
変化する定数を定義に入れる、モルの変なところ。
これもまた、化学の魅力なのだ。
理想と現実。
そのはざまで、どう考えるか、どう理解するか。化学を含む科学は、自然との闘いである。
3. コーヒー、牛乳、日本茶に共通する物理化学的な現象とは何か、書け
コロイド現象である。3者とも、コロイド分散系である。コロイドとは、分子ではなく、固体の分類に属するもので、分子分散系とコロイド分散系は区別されているが、ミクロ的に見ると、両者の間に明確な区別はつきにくい。
コロイドのおかげで我々はいろんなことが役に立っている。
その実例を講義では紹介していく。
4. ダイオキシン問題は何が"問題"なのか書け
ダイオキシンは人間が火を使う前から自然界にあるものである。もちろん、最も有毒なものは人工物質かもしれないが、少なくともダイオキシン類はつきあいが深い。問題は濃度なのであり、また、今母乳等で問題になっているのは、30年以上も前に問題になった、PCBによるところが大きい。
つまり、ダイオキシンは非常に長い目で見ないといけない。焼却炉の撤去や、ビニル袋の追放だけで解決する問題では、決してないのだ。
NOxやCO2問題に似ている、とも言えよう。
極微量なら問題ないはずだ。でなければ、これまでの人類の歴史がおかしくなる。
問題になるならないは、かなり主観の問題とも言える。
ダイオキシン問題を考えるとき、そういう情緒的なものと、いわゆるサイエンスは切り離さなくてはいけない。
5. この講義に期待する内容とは何か書け(自由に書いてください。裏面使用可)
次回の講義は、生活の中のコロイドを振り返って見ましょう。