界面物理化学・最終回「環境特別講義」


講義で配ったプリント
1.環境
地球環境は人間だけのものではない。
犬や猫、蛇や蚊、はえの環境でもある。
2.3大環境問題
  1. ダイオキシン
  2. CO2
  3. 酸性雨
これらは相互に密接に関係している
3.ダイオキシン
今日、7/10。丁度25年前、イタリア・セベソで化学会社で事故が起こり、大気中にダイオキシンが飛散し、ダイオキシンの雪が降った。2ヶ月後、深刻な皮膚障害が少年少女を襲った。
ダイオキシンの発生メカニズムはまだわからないことが多い。
塩ビだけに犯人をなすりつけてはいけない。
同じ重さのポリ袋。
ポリエンチレン製の方が、塩ビ製より2倍程度石油を消費する、環境に優しくないものなのだ。
従って、ポリエチレン製の方が、2倍もCO2を放出する。
それに切り替えるなどというのは、馬鹿の骨頂である。やるのなら、撤廃しかない。
もはや塩ビを燃やしてはいないところでも、高濃度のダイオキシンが出るのはどういうわけだろうか。
ヒントは、食塩、水と燃えるもの。
NaClと燃えるものから、CuCl, FeCl2のようなダイオキシン発生に導く触媒ができ、水含有による温度低下から、300℃程度で、ダイオキシン類ができてしまう、というのが、現在言われている。
完全に燃やせばいいのだ。
だからこそ、家庭で出す生ゴミは水を切らないとダメ!
4.CO2問題
1970年当時、氷河期に入ると心配されていた。
その当時は、CO2は温室効果ガスとされ、もてはやされていた。
現在にいたり、悪役になったCO2。人間の勝手である。
エネルギー消費量はCO2消費量と等しいと考えて良い。
とすれば、CO2を減らすために我々ができることは、エネルギー消費を減らすような以前の生活に戻るしかない。
エネルギー消費を減らすには、効率の良い消費方法を進めないといけない。
5.酸性雨問題
古くて新しい問題である。
NOx, SO2ガスによる雨へのとけ込みのために、雨のpHが5.6以下になるもので、植生にダメージを与える。
発生源は燃焼機関など、もちろん人工物である。
NOxは触媒除去できるが、代わりにCO2を発生する。
5.問題は絡んでいる
3つの環境問題は結局絡んでいるのだ。
最終的にはCO2問題に帰結されるのだが、いずれもすぐにでも解決しないといけない。
特にダイオキシン問題は人間の生殖機能の低下をもたらす大問題であるので、急務の解決が必要だ。
酸性雨も植生に大きなダメージをもたらし、CO2増大を側面から支えることとなってしまう。
我々の生活の向上は大いに結構だが、そのとき、環境に与える問題を真摯に考えたいものである。