平成11518

小テスト&基本調査

裏面を使用してよい。

専攻名[            ]番号[               ] 氏名[                  ]

1. 粒子間に働く、凝集と分散の源(力)とは何か。図で示して説明せよ。

 

(略)

 

2. 雨が降った後、道ばたには泥水ができている。泥水の中の大きな粒子はやがて沈降するが、小さな粒子はいつまで浮遊していて、濁っている。濾過することなく、透明な水を得るにはどうしたら、いいか。また、それはどういう理由によるのか、説明せよ。

 

(略)

 

3. コロイド粒子の特徴として、電気泳動がある。これはどういうものだろうか?

 

電気泳動:

電気分解で電解質溶液に電場をかけると、陽イオンは負極側へ、陰イオンは正極側へ移動する。これと同様な現象がコロイド粒子にも起こることがわかった。これを電気泳動と呼んでいる。かけた電場の強さ、移動距離から、コロイド表面の電位を測ることが可能であろう。これを体系化したのが、Smoluchowskiであり、

U = εζ/4πη

という式で結んだ。Uは易動度と呼ばれる粒子の移動距離であり、εは誘電率、ηは粘度、ζが粒子の表面電位である。実は正確には表面電位ではない。

ところが、粒子がもっともっと小さくなると、イオンのような挙動に近いとなりそれなら、以前イオンの易動度に関して提出されたHuckel式が使えるだろうということになる。

U = εζ/6πη

これは上記の式と比べると、分母に多少の違いがある。これは点電荷の概念からでたものであるのに対し、上記は平面電荷の概念からでたという出所に違いによるものである。

これを是正する考え方が、Henryが示した、係数fというもので

U = f εζ/η

という式にまとめた。

これらの式の適用は粒径や粒子の形にも依存するので、実際に測定するときには気をつけたい。

ζ電位について:

こうして測定したζ電位とはいったい何者か。

これを電気二重層という考えから見ていこう。この考えこそ、分散の起動力である、粒子の表面電荷の考えなのだ。