平成10414

基本調査

今回は全員100点を与える 裏面を使用してよい。

番号[               ] 氏名[                  ]

 

  1. 平衡論、速度論について知っていることを書け。

平衡論は、いわば、桃源郷ユートピアの世界の話である。この世界と今とのエネルギー差が、まさしく、ギブスの自由エネルギー変化なのである。平衡論は、エネルギー的に最も安定なところは、どこか、「ある条件下」で、規定しようとする学問である。理想と現実の間の、今、どこに位置しているか、それを数値解析するのが平衡論である。

速度論は、桃源郷に如何にたどりつくか、というガンバリ度を表している。詳しくは、講義の後半で話していく。簡単にまとめると、

 物理化学とは

物質のemotionを数式化し、理解すること。

 平衡論と速度論

平衡においては、正方向と逆方向の速度が等しい

平衡に達するまでの速度

不可逆過程と可逆過程

 

  1. モル(mol)の定義を述べよ。

かつて1970年代までは、12Cが、0, 1 atm12gあるとき、1 molという、とかが定義だったが、計測法の進歩とともに、電子の質量など不確定性要因が無視できなくなり、定義を変更する。

現在、「原子が、Na(アボガドロ数)個集まったとき、1 mol原子などと呼ぶ」ということになっており、肝心のアボガドロ数は、6.0221367 x 1023 / molである。化学と工業4月号から。

つまり、定義に入っている、アボガドロ数も経時変化する、という変な定義なのである。

 

  1. 化学ポテンシャルとは何か、書け。

系全体のギブスの自由エネルギー変化に及ぼす、個々の成分のエネルギー変化の寄与分をさしている。式的に表すと、G = f (T,P,V, n1, n2, n3 ...) V一定で、全微分すると、

d G = (G/T) d T + (G/P) d P + Σ (G/ni) d ni

で、T,P,njが一定の時の、(G/ni) = μ を 成分iの化学ポテンシャルという。

ある成分のガンバリ度を示している、と考えても良いだろう。

 

  1. 活量について知るところを述べよ。

(これについては、後に解答する)

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なお、講義では、牛乳、コーヒー、お茶、などを例にとって、平衡と速度について述べた。これらはみな、コロイドなのだ。