平成12年5月23日

小テスト&基本調査

裏面を使用してよい。

番号[               ] 氏名[                  ]

1. 酸性の硫化水素泉が臭い理由を物理化学的に説明せよ。

(略)

2. 温泉には、硫黄泉や硫酸塩泉などがある。硫黄の酸化との関係から説明せよ。

(略)

3. 粒子間に働く、反発力の源とは何か、説明せよ。

粒子表面の表面電位である。この電位ψ0は、溶液では、表面から離れると共に、徐々に小さくなるが、いきなり0になることはない。徐々に低下していき、溶液バルクでは、0となる。これを拡散電気二重層モデルと呼ぶ。電位は、まず、Stern面まで直線的に下がり、そこの電位をStern電位ψdといい、それから先は、ψ=ψd exp (-κx) という式に従って下がる、という。これをGouy-Chapman理論という。これが反発力の源である。なお、κは、共存する電解質の価数と濃度に依存し、価数と濃度が大きくなると、κは大きくなるという関係にある。すなわち、価数と濃度が大きくなると、ψは、粒子表面から離れるに従い、急速に減少する。つまり、反発力は、粒子表面からちょっとでも離れると小さくなることを意味する。

 

<静電的反発力を求める基礎式>

基礎式 No. 1 = 拡散層中のイオンの濃度はボルツマン分布に従う

(1)

n: 拡散層中のイオンの個数濃度

n0: バルク溶液中のイオンの個数濃度

z: イオンの価数

k: ボルツマン定数

T: 温度

ψ : 問題にしている点における電位

+,-: 陽イオン、陰イオンを表す

ちなみに、表面の電位:ψ 0は電位決定イオンのバルク活量cによって、

(2)

R: 気体定数

c0: c at ψ0 = 0

なお、(2)は基礎式ではない。

基礎式 No. 2 = 拡散層内における電位は、Poissonの式

(3)

を基礎にして求められる。

εr: 溶液の比誘電率

ε0: 真空の誘電率

ρ: 電荷密度

は、対称型電解質()に対して、

基礎式 No. 3 =

(4)