平成12年5月16日

小テスト&基本調査

裏面を使用してよい。

専攻名[             ]番号[               ] 氏名[                  ]

1. 表面電位について説明せよ。

(略)

2. 導体と絶縁体の電位の違いについて述べよ。

(略)

3. 静電的反発力を数値化するときの基礎式は何か、知っていることを述べよ。

(略)

4. 酸性の硫化水素泉が臭い理由を物理化学的に説明せよ。

酸性硫黄泉が臭いわけを考察する。

(1) H2S (gas状) ⇔ H2S (溶解した、以下このH2Sを指す) 溶解平衡

(2) H2S ⇔ HS- + H+

(3) HS- ⇔ S2- + H+

酸性になると、水素イオンが多くなるので、(3)式,(2)式の平衡は、左へずれる。そうすると、(1)式の右辺が多くなるので、やはり左にずれる。結果的に匂いのある硫化水素ガスが発生する、というわけである。

5. 温泉には、硫黄泉や硫酸塩泉などがある。硫黄の酸化との関係から説明せよ。

硫黄イオンの酸化について考える。熱水が鉱石に触れて温泉水になった直後は、M(金属)Sの形の金属硫化物が溶けている。このうち、硫黄イオンS2-は空気に触れると酸化する。これを酸化数を使って表記すると、

S-2→ S0→ S+2→ S+4→ S+6

のように、右に行くほど酸化数が増えていく。実際のイオンに当てはめると次のようになる。

S2-→ S0→ SO22-→ SO32-→ SO42-

となり、左から、硫黄イオン、単体硫黄、次亜硫酸イオン、亜硫酸イオン、硫酸イオン、の順である。火山性の温泉の近くで単体硫黄が多く採取されるのは、水中に混ざっていた硫黄イオンが急速に冷える段階で、酸化を受けるためであろう。一方、温泉成分で、硫酸イオンなどが含まれている温泉は、時間が経過している温泉で、肌には優しいと言えよう。

6. あ、極楽極楽。温泉のあとは、ビールを飲んで、と。いや、清酒でもいいや。

 というわけで、これらに共通する、物理化学的現象はいかに? 思いつくままに書きましょう!

温泉とビールに共通するのは、コロイドである。

温泉には、硫黄や難溶性塩のコロイドが含まれていることが多く、それが湯ノ花となって、沈殿する。一方、ビールも漉したとはいえ、かなりのコロイドを含み、それらが炭酸ガス発生の中心になっていることもある。

詳しくは、温泉の化学 を見て下さい。