平成12年4月11日

基本調査

今回は全員100点を与える 裏面を使用してよい。

番号[               ] 氏名[                  ]

  1. 平衡論、速度論について知っていることを書け。

  1. モル(mol)の定義を述べよ。

  1. 化学ポテンシャルとは何か、書け。

  1. 活量について知るところを述べよ。
  2. 物理化学の好きな点、嫌いな点を述べよ。(最重要項目!) 裏面を使用せよ。

平成10年4月14日

基本調査

今回は全員100点を与える 裏面を使用してよい。

番号[               ] 氏名[                  ]

  1. 平衡論、速度論について知っていることを書け。

平衡論は、いわば、桃源郷ユートピアの世界の話である。この世界と今とのエネルギー差が、まさしく、ギブスの自由エネルギー変化なのである。平衡論は、エネルギー的に最も安定なところは、どこか、「ある条件下」で、規定しようとする学問である。理想と現実の間の、今、どこに位置しているか、それを数値解析するのが平衡論である。

速度論は、桃源郷に如何にたどりつくか、というガンバリ度を表している。詳しくは、講義の後半で話していく。簡単にまとめると、

 物理化学とは

物質のemotionを数式化し、理解すること。

 平衡論と速度論

平衡においては、正方向と逆方向の速度が等しい

平衡に達するまでの速度

不可逆過程と可逆過程

  1. モル(mol)の定義を述べよ。

かつて1970年代までは、12Cが、0℃, 1 atmで12gあるとき、1 molという、とかが定義だったが、計測法の進歩とともに、電子の質量など不確定性要因が無視できなくなり、定義を変更する。

現在、「原子が、Na(アボガドロ数)個集まったとき、1 mol原子などと呼ぶ」ということになっており、肝心のアボガドロ数は、6.0221367 x 1023 個/ molである。化学と工業4月号から。

つまり、定義に入っている、アボガドロ数も経時変化する、という変な定義なのである。

  1. 化学ポテンシャルとは何か、書け。

系全体のギブスの自由エネルギー変化に及ぼす、個々の成分のエネルギー変化の寄与分をさしている。式的に表すと、G = f (T,P,V, n1, n2, n3 ...) で V一定で、全微分すると、

d G = (∂G/∂T) d T + (∂G/∂P) d P + Σ (∂G/∂ni) d ni

で、T,P,njが一定の時の、(∂G/∂ni) = μ を 成分iの化学ポテンシャルという。

ある成分のガンバリ度を示している、と考えても良いだろう。

  1. 活量について知るところを述べよ。
  2. (これについては、後に解答する)

  3. 物理化学の好きな点、嫌いな点を述べよ。(最重要項目!) 裏面を使用せよ。

 

第1回

物理化学とは

物質のemotionを数式化し、理解すること。

化学とは、現象面から、成長、合成、結合、凝集、分散、生成、などに別れ、扱う対象からすると、原子、分子、粒子、結晶、バルクなどに分かれる。

物理化学とは、その化学の領域の中で、ある現象・ある対象を統一的に理解するための学問であり、そのために一般論として数値化するわけである。

本講義の範囲

凝集、分散を、粒子を例にとって、物理化学を講義する。

 

なお、講義では出さなかったが、

平衡論と速度論

平衡においては、正方向と逆方向の速度が等しい
平衡に達するまでの速度
不可逆過程と可逆過程

化学ポテンシャルと活量・フガシティ

ポテンシャルは相対量
活量とフガシティは物質の躍動度

機械・知能系における物理化学

材料と扱うときの手助け
基本的な数式さえ知ればよい
平衡という概念を理解する