http://www.metro.tokyo.jp/INET/ETC/SAITAI/HISAI/MIYAK287.HTM

平成12年10月6日

午後4時00分

東京都災害対策本部







        東京都災害対策本部の対応等について(第187報)





        三宅島島内作業等における火山ガス対策等について





 三宅島では、火山活動に伴う火山性ガスが大量に放出されていることから、島内で作業す

る場合には、厳重な安全対策が必要であり、これまでも関係者に対して必要な対応について

現地災害対策本部会議等で周知し、注意喚起を行ってきたところです。

 このたび、最近の火山活動や三宅島島内での作業状況等を踏まえ、明日7日に現地災害

対策本部を従前の「かとれあ丸」から神津島に移設することになりました。これに際し、都

および国の関係省庁(国土庁、環境庁、厚生省、気象庁、労働省)において、島内で作業す

る方々向けに、作業する際の留意事項を記した「三宅島島内作業等における火山ガス対策に

ついて」、島内での作業環境を測定するための手順を記した「三宅島島内作業における作業

環境測定実施手順について」をとりまとめ、関係者に周知することとしました。なお、火山

活動の状況等により臨機応変に対応する必要があり「暫定版」としています。

 なお、国土庁防災局からも同様の発表がなされます。



平成12年10月6日



         三宅島島内作業等における火山ガス対策について

                  (暫定版)

                              東京都災害対策本部

                              政府非常災害対策本部

                             (事務局国土庁、環境庁、

                              厚生省、気象庁、労働省)





 三宅島では、多量の火山ガスが連続的に噴出しています。

 三宅島島内での火山ガス(二酸化硫黄S02、硫化水素H2S)に対する遵守事項等を取り

まとめましたので、島内で活動する方は、これら事項を熟知し、安全の確保をお願いします。

 なお、火山ガス以外について、三宅島島内での安全を確保するための遵守事項等が取りまと

められています(「三宅島で活動する皆さんへ」)ので、島内で活動する方は、それら事項に

ついても遵守願います。



                    記



1.必ず携行するもの

1)国家検定に合格した亜硫酸・いおう用防毒マスク(全面形)及び予備の吸収缶(各自)

2)ガス検知器(各グループで1台以上)

3)空気呼吸器(各グループで1台以上)



2.現場での活動

(1)かとれあ丸を出発する前に

 1)上陸前に火山ガスの影響が無いことを確認する。なお、現地作業の可否については、

   東京都現地対策本部の指示に従うこと。

 2)ガス検知器のスイッチを入れる(バッテリーは大丈夫か、0点調節は大丈夫か。)。

 3)防毒マスクの携帯を確認する(きず、ひび割れ、部品の接合部の隙間、汚れがないか。

   排気弁の気密性が保たれていること。吸収缶が適切にとりつけられているか。吸収缶が

   破損又は変形していないこと。)。

 4)予備の吸収缶の携帯を確認する(破損又は変形していないこと。)。

 5)空気呼吸器の携帯を確認する(圧力指示計により空気が十分あるか。)。

 6)取扱い説明書等により亜硫酸・いおう用防毒マスク及び空気呼吸器の装着方法等を確認

   する。



(2)現場では(移動中も含む)

 1)ガス検知器により火山ガスの影響の無いことを、定期的に確認する。

 2)ガス検知器がガス濃度の異常を示した場合には、周囲の作業者に知らせるとともに防毒

   マスクを装着し、ガス濃度の低い方(通常は、来た道の方向。)にすぐさま退避する。

 3)ガス検知器が検知しない場合でも、刺激臭或いは不快臭を感じた場合には、防毒マスク

   を装着し、ガス濃度の低い方にすぐさま退避する。

 4)噴煙の流れる方向を考慮して、濃度の高い火山ガスが流れてくる可能性があると予想さ

   れる場合には、事前に退避する。

 5)火山ガスは空気より重いので、無風状態の時等ガスが拡散しにくい気象条件の時には、

   くぼ地や谷地形等、ガスが溜まりやすい場所には近づかないよう注意すること。

 6)立ち入る現場の硫化水素濃度等が不明の場合又は硫化水素濃度等を測定するため現場に

   入る場合は、空気呼吸器を使用する。

 7)作業中、有害物質により身体に異常を訴えた場合には速やかに医師による緊急時健康診

   断を行うこと。



(3)かとれあ丸に帰ったら

 1)すぐに、手と目を洗い、うがいをする。

 2)目に刺激を感じたり、咳がでたりした場合には、医療機関に相談する。

 3)防毒マスクを使用した場合は、吸収缶を交換する。

 4)空気呼吸器を使用した場合は、圧力指示計により使用可能時間を確認し、必要に応じて

   高圧空気容器を交換する。

 5)ガス検知器の充電を行う。



3.その他、特に注意すること

(1)喘息等の呼吸器系の疾患のある方は、健康な方に比べ極めてわずかな濃度のガスでも発

   作を起こし、致命的な事態となることがあります。三宅島への派遣職員等として参加し

   ないで下さい。



(2)本人が自覚していなくとも、潜在的に喘息等の呼吸器系の疾患のある方もいます。健康

   な方も、火山ガスに近づく場合は注意して下さい。



(3)許容濃度等:通常の労働(1日8時間、週40時間程度で肉体的に激しくない労働)で

   、当該物質(今回の場合は火山ガス)の平均暴露濃度(呼吸保護具を装着していない状

   態で吸収するであろう当該物質の濃度)がある数値以下であればほとんどの方に健康上

   の悪い影響が見られないと判断される濃度として、許容濃度と呼ばれているものがあり

   ます。許容濃度は、日本産業衛生学会(以下、産業衛生学会という。)、ACGIH

   (American Conference of Gavernmental Industrial Hygienists )が勧告していま

   す。二酸化硫黄及び硫化水素の許容濃度は次のとおりです。

      二酸化硫黄S02 : 許容濃度 産業衛生学会  (検討中)

                     ACGIH    2ppm

      硫化水素H2S  : 許容濃度 産業衛生学会  10ppm

                     ACGIH   10ppm



(4)混合物質の許容濃度:許容濃度の数値は当該物質が単独で空気中に存在する場合のもの

   です。2種類以上の物質に暴露される場合には、個々の物質の許容濃度でなく、次式に

   よって計算されるIの値が1を越える場合に許容濃度を超える暴露と判断するのが適当

   です。

    I=(S02の平均暴露濃度)/2ppm +(H2Sの平均暴露濃度)/10ppm



(5)暴露時間が短い、或いは労働強度が弱い場合でも、許容濃度を超える暴露は避けて下さ

   い(許容濃度を超えた場合は、すぐさま亜硫酸・いおう用防毒マスクを装着し、避難し

   て下さい。なお、二酸化硫黄及び硫化水素は水に溶けやすいので短時間であれば濡れタ

   オルで鼻と口を覆うのも有効です。)。



(6)火山ガスの特徴等を、別紙(省略)に添付しています(出典:化学物質の危険・有害便

   覧、労働省安全衛生部監修、中央労働災害防止協会編)。上記事項も踏まえ、作業時の

   参考にして下さい。





4.その他

 上記対策に掲げられたものと同等又はそれ以上の特別な安全装備により行われる緊急の救助

活動や火山活動の調査等においては、この限りではありません。





平成12年10月6日



         三宅島島内作業等における火山ガス対策について

                  (暫定版)

                              東京都災害対策本部

                              政府非常災害対策本部

                             (事務局国土庁、環境庁、

                              厚生省、気象庁、労働省)





 三宅島では、多量の火山ガスが連続的に噴出しています。

 三宅島島内での火山ガス(二酸化硫黄S02、硫化水素H2S)に対する遵守事項等を取り

まとめましたので、島内で活動する方は、これら事項を熟知し、安全の確保をお願いします。

 なお、火山ガス以外について、三宅島島内での安全を確保するための遵守事項等が取りまと

められています(「三宅島で活動する皆さんへ」)ので、島内で活動する方は、それら事項に

ついても遵守願います。



                    記



1.必ず携行するもの

1)国家検定に合格した亜硫酸・いおう用防毒マスク(全面形)及び予備の吸収缶(各自)

2)ガス検知器(各グループで1台以上)

3)空気呼吸器(各グループで1台以上)



2.現場での活動

(1)かとれあ丸を出発する前に

 1)上陸前に火山ガスの影響が無いことを確認する。なお、現地作業の可否については、

   東京都現地対策本部の指示に従うこと。

 2)ガス検知器のスイッチを入れる(バッテリーは大丈夫か、0点調節は大丈夫か。)。

 3)防毒マスクの携帯を確認する(きず、ひび割れ、部品の接合部の隙間、汚れがないか。

   排気弁の気密性が保たれていること。吸収缶が適切にとりつけられているか。吸収缶が

   破損又は変形していないこと。)。

 4)予備の吸収缶の携帯を確認する(破損又は変形していないこと。)。

 5)空気呼吸器の携帯を確認する(圧力指示計により空気が十分あるか。)。

 6)取扱い説明書等により亜硫酸・いおう用防毒マスク及び空気呼吸器の装着方法等を確認

   する。



(2)現場では(移動中も含む)

 1)ガス検知器により火山ガスの影響の無いことを、定期的に確認する。

 2)ガス検知器がガス濃度の異常を示した場合には、周囲の作業者に知らせるとともに防毒

   マスクを装着し、ガス濃度の低い方(通常は、来た道の方向。)にすぐさま退避する。

 3)ガス検知器が検知しない場合でも、刺激臭或いは不快臭を感じた場合には、防毒マスク

   を装着し、ガス濃度の低い方にすぐさま退避する。

 4)噴煙の流れる方向を考慮して、濃度の高い火山ガスが流れてくる可能性があると予想さ

   れる場合には、事前に退避する。

 5)火山ガスは空気より重いので、無風状態の時等ガスが拡散しにくい気象条件の時には、

   くぼ地や谷地形等、ガスが溜まりやすい場所には近づかないよう注意すること。

 6)立ち入る現場の硫化水素濃度等が不明の場合又は硫化水素濃度等を測定するため現場に

   入る場合は、空気呼吸器を使用する。

 7)作業中、有害物質により身体に異常を訴えた場合には速やかに医師による緊急時健康診

   断を行うこと。



(3)かとれあ丸に帰ったら

 1)すぐに、手と目を洗い、うがいをする。

 2)目に刺激を感じたり、咳がでたりした場合には、医療機関に相談する。

 3)防毒マスクを使用した場合は、吸収缶を交換する。

 4)空気呼吸器を使用した場合は、圧力指示計により使用可能時間を確認し、必要に応じて

   高圧空気容器を交換する。

 5)ガス検知器の充電を行う。



3.その他、特に注意すること

(1)喘息等の呼吸器系の疾患のある方は、健康な方に比べ極めてわずかな濃度のガスでも発

   作を起こし、致命的な事態となることがあります。三宅島への派遣職員等として参加し

   ないで下さい。



(2)本人が自覚していなくとも、潜在的に喘息等の呼吸器系の疾患のある方もいます。健康

   な方も、火山ガスに近づく場合は注意して下さい。



(3)許容濃度等:通常の労働(1日8時間、週40時間程度で肉体的に激しくない労働)で

   、当該物質(今回の場合は火山ガス)の平均暴露濃度(呼吸保護具を装着していない状

   態で吸収するであろう当該物質の濃度)がある数値以下であればほとんどの方に健康上

   の悪い影響が見られないと判断される濃度として、許容濃度と呼ばれているものがあり

   ます。許容濃度は、日本産業衛生学会(以下、産業衛生学会という。)、ACGIH

   (American Conference of Gavernmental Industrial Hygienists )が勧告していま

   す。二酸化硫黄及び硫化水素の許容濃度は次のとおりです。

      二酸化硫黄S02: 許容濃度 産業衛生学会  (検討中)

                     ACGIH    2ppm

      硫化水素H2S : 許容濃度 産業衛生学会  10ppm

                     ACGIH   10ppm



(4)混合物質の許容濃度:許容濃度の数値は当該物質が単独で空気中に存在する場合のもの

   です。2種類以上の物質に暴露される場合には、個々の物質の許容濃度でなく、次式に

   よって計算されるIの値が1を越える場合に許容濃度を超える暴露と判断するのが適当

   です。

    I=(S02の平均暴露濃度)/2ppm +(H2Sの平均暴露濃度)/10ppm



(5)暴露時間が短い、或いは労働強度が弱い場合でも、許容濃度を超える暴露は避けて下さ

   い(許容濃度を超えた場合は、すぐさま亜硫酸・いおう用防毒マスクを装着し、避難し

   て下さい。なお、二酸化硫黄及び硫化水素は水に溶けやすいので短時間であれば濡れタ

   オルで鼻と口を覆うのも有効です。)。



(6)火山ガスの特徴等を、別紙(省略)に添付しています(出典:化学物質の危険・有害便

   覧、労働省安全衛生部監修、中央労働災害防止協会編)。上記事項も踏まえ、作業時の

   参考にして下さい。





4.その他

 上記対策に掲げられたものと同等又はそれ以上の特別な安全装備により行われる緊急の救助

活動や火山活動の調査等においては、この限りではありません。







平成12年10月6日



   作業班が三宅島に入島して作業を行う場合の作業環境測定実施手順(暫定)

                           東京都災害対策本部

                           政府非常災害対策本部

                           (事務局国土庁、環境庁、

                            厚生省、気象庁、労働省)





 三宅島では、多量の火山性ガスが噴出し続けています。島内作業を安全に進めるた

め、以下の手順で環境測定を行い、緊急時に対処することが必要です。これらの事項

を熟知し、安全の確保をお願いします。作業班には、東京消防庁、警視庁及び東京都

現地対策本部員が同行することとします。



1 船舶での入港に際しての手順

 三宅島への入港場所は、風向、噴煙の方向等を考慮し、できるだけ噴煙の下流方向

にならない位置を選択する。

(1)着用物

 1)防毒マスク(亜硫酸・いおう用の吸収缶を装着したもの)

 2)その他安全用品(ヘルメット、安全靴、救命胴衣等)

(2)装備品 

 1)ガス連続モニター[二酸化硫黄、硫化水素、酸素](乗船前にバッテリの確認を行

  い、乗船  中は連続作動させておく。)

 2)ガス検知管(二酸化硫黄5Lb(又は5Lc)、硫化水素(4LT及び4LL)、塩化水素14L)

 3)予備の吸収缶

(3)測定・対応

 1)ガス連続モニターの作業基準超過警報発生時(SO2:2ppm,H2S:10ppm)には、全員に

  対し防毒マスクの装着を徹底し、船舶でそのまま噴煙から離れる方向へ退避する。

 2)常時、ガス連続モニターを監視し、測定値が上昇傾向を示した場合には、検知管

  等によるガス濃度測定を行い、作業基準を超過した場合は1)と同様の措置を行う。

 3)ガス検知器(ガス連続モニター、ガス検知管等)が検知しない場合でも、強い臭

  気を感じた場合には1)と同様の措置を行う。

 4) 1)〜4)で退避を行った場合は、退避後直ちに現地災害対策本部に無線で連絡する。

 5)入島の可否の状況、行動経過を逐次現地災害対策本部に無線で連絡する。





2 着岸・入島時の手順

(1)着用物・装備品

 1と同様とする。

(2)測定・対応

 1)着岸時に、ガス検知管でガス濃度を測定し、作業基準を超過した場合は、全員に

  対し防毒マスクの装着を徹底し、噴煙から離れる方向に船舶で沖へ退避する。

 2)ガス連続モニターの作業基準超過警報発生時(SO2:2ppm,H2S:10ppm)にも1)と同様

  の措置を行う。

 3)ガス検知器(ガス連続モニター、ガス検知管等)が検知しない場合でも、強い臭気

  を感じた場合には1)と同様の措置を行う。

 4) 1)〜3)で退避を行った場合は、退避後直ちに現地災害対策本部に無線で連絡する。

 5)入島時のガス濃度測定結果、行動経過を逐次現地災害対策本部に無線で連絡する。





3 作業場所への移動手順

(1)着用物

 1)防毒マスク(亜硫酸・いおう用の吸収缶を装着したもの)

 2)その他安全用品(ヘルメット、ゴーグル、安全靴等)

(2)装備品 

 1)ガス連続モニター[二酸化硫黄、硫化水素、酸素](測定状態にしておく。)

 2)ガス検知管(二酸化硫黄5Lb(又は5Lc)、硫化水素(4LT及び4LL)、塩化水素14L)

 3)空気呼吸器

 4)予備の吸収缶、ボンベ

 5)水(ペットボトル)

(3)測定・対応

 1)作業場所への移動は、風向等を考慮し、噴煙の下流部を通過しない方向を選ぶ。

 2)移動中は、ガス連続モニターを車の窓際に置いて監視を続ける。

 3)ガス連続モニターの作業基準超過警報発生時(SO2:2ppm,H2S:10ppm)には、全員に

  対し防毒マスクの装着を徹底し、噴煙から離れる方向へ退避する。

 4)常時、ガス連続モニターを監視し、移動中に測定値が上昇傾向を示した場合には、

  検知管等によるガス濃度測定を行い、作業基準を超過した場合は3)と同様の措置を行

  う。

 5)ガス検知器(ガス連続モニター、ガス検知管等)が検知しない場合でも、強い臭気を感じ

  た場合には3)と同様の措置を行う。

 6) 4)〜6)で退避を行った場合は、避難後直ちに災害対策本部に無線で連絡する。

 7)検知管での測定時には、時刻、位置、濃度(検知管の種類、吸引回数、読み)を記録する。

 8)ガス濃度の測定結果、行動経過を逐次現地災害対策本部に無線で連絡する。





4 作業中の手順

 作業中は各作業毎に環境測定の責任者を置き、安全を確認しながら作業を行う。なお、労

働安全の面から、安全責任者は、「酸素欠乏危険作業主任者」及び「特定化学物質等作業主任者」

の資格を有することが必要となっている。

(1)安全責任者の装備品

 1)ガス連続モニター[二酸化硫黄、硫化水素、酸素](作業中は連続作動させておく。)

 2)ガス検知管(二酸化硫黄5Lb(又は5Lc)、硫化水素(4LT及び4LL)、塩化水素14L)

 3)防毒マスク(携行)

 4)空気呼吸器(作業前にボンベの圧力等の点検を行うこと)

 5)その他安全用品(ヘルメット、安全靴等)

  6)予備の吸収缶、ボンベ

  7)水(ペットボトル)

(2)作業員の装備品

 1)防毒マスク(携行)

 2)空気呼吸器(作業前にボンベの圧力等の点検を行うこと)

 3)その他安全用品(ヘルメット、安全靴等)

  4)予備の吸収缶、ボンベ

  5)水(ペットボトル)

(3)安全責任者による測定・対応

 1)噴煙の方向、風向きを常に意識し、緊急時の避難方向を決定しておく。

 2)ガス連続モニターの作業基準超過警報発生時(SO2:2ppm,H2S:10ppm,O2:18%)には、

  直ちに作業者に防毒マスクの装着と避難の指示を行う。 

 3)常時、ガス連続モニターを監視し、測定値が上昇傾向を示した場合には、検知管等による

  ガス濃度測定を行い、作業基準を超過した場合は、直ちに2)と同様の措置を行う。

 4)ガス検知器(ガス連続モニター、ガス検知管等)が検知しない場合でも、強い臭気を感じ

  た場合にも2)と同様の措置を行う。

 5) 2)〜5)で避難が完了したら、直ちに災害対策本部に状況を無線で報告する。

 6)ガス濃度の測定結果、作業経過を逐次現地災害対策本部に無線で連絡する。

(4)作業上の注意

 1)噴煙の方向、風向きを意識し、ガス濃度の上昇を予知する。

 2)窪地や谷部は無風時にガスが溜まりやすいので注意する。

 3)上陸前に防毒マスク及び空気呼吸器の装着方法等を確認する。





5 その他

 上記対策に掲げられたものと同等又はそれ以上の特別な安全装備により行われる緊急の救

助活動や火山活動の調査等においては、この限りではない。



 





<参考>

【ガス検知管による測定方法】

1 空気漏れ確認

  新しい検知管(両端をカットする前のもの)を吸引器に装着しピストンを引き、約1分後ピ

 ストンを90゜回しピストンが完全に戻ることを確認する。



2 測定

1)検知管の両端を吸引器のカッターで折り、矢印の方向で装着する。

2)ピストンの[100]の▲印とシリンダの赤線を合わせ、止まるまでシリンダーを引っ張る。

 (ピストンがロックされる。)

3)約1分程度経過したら、ピストンを引っ張りながら右へ90°回し、ピストンが引き戻され

 ない場合には吸引終了とし、引き戻される場合は再びロックししばらく待つ。(新しいタイ

 プのものは、吸引が完了すると、にぎり部のインジケータの色が変わる)

4)基準吸引回数が2回以上のものは、ゆっくりピストンを戻し、再度ピストンを引く。

5)検知管の色が変化しない場合は、説明書の範囲で吸引回数を増すことができる。

6)基準吸引回数で測定した場合は検知管の変色境界の数値を直読し、基準吸引回数以外で測定

 した場合は、説明書に従い補正倍率を掛ける。

7)検知管の種類、吸引回数、読みを記録する。



3 検知管の種類と補正倍率の例

  +−−−−−+−−−−−−+−−−−−+−−−−−+−−−−−−−−−−−+

  |対象ガス |検知管の種類|吸引回数 |補正倍率 |  最 小 目 盛  |

  +−−−−−+−−−−−−+−−−−−+−−−−−+−−−−−−−−−−−+

  |硫化水素 | 4LT  |1(基準)|  1  |0.2        |

  |     |      +−−−−−+−−−−−+−−−−−−−−−−−+

  |     |      |  2  | 1/2 |0.2/2=0.1  |

  +−−−−−+−−−−−−+−−−−−+−−−−−+−−−−−−−−−−−+

  |     | 4LL  |1(基準)|  1  |2.5        |

  |     |      +−−−−−+−−−−−+−−−−−−−−−−−+

  |     |      |  2  | 1/2 |2.5/2=1.25 |

  +−−−−−+−−−−−−+−−−−−+−−−−−+−−−−−−−−−−−+

  |二酸化硫黄| 5Lb  |2(基準)|  1  |0.2        |

  |     |      +−−−−−+−−−−−+−−−−−−−−−−−+

  |     |      |  4  | 1/2 |0.2/2=0.1  |

  |     |      +−−−−−+−−−−−+−−−−−−−−−−−+

  |     |      |  8  | 1/4 |0.2/4=0.05 |

  +−−−−−+−−−−−−+−−−−−+−−−−−+−−−−−−−−−−−+

  |     | 5Lc  |2(基準)|  1  |0.5        |

  |     |      +−−−−−+−−−−−+−−−−−−−−−−−+

  |     |      |  4  |1/2.5|0.5/2.5=0.2|

  +−−−−−+−−−−−−+−−−−−+−−−−−+−−−−−−−−−−−+

  |塩化水素 | 14L  |1(基準)|  1  |1          |

  |     |      +−−−−−+−−−−−+−−−−−−−−−−−+

  |     |      |  2  | 1/2 |1/2=0.5    |

  +−−−−−+−−−−−−+−−−−−+−−−−−+−−−−−−−−−−−+





4 他のガスによる妨害(干渉)

 検知管での測定では、他のガスにより+−の誤差を受ける場合がある。個々の干渉ガスに

ついては、説明書に記載されている。

 今回の測定においては、塩化水素(14L使用)の測定において、二酸化硫黄の干渉によ

り+の誤差が生じる可能性が高いので注意が必要である。

  +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+

  │ 検知管種類:塩化水素測定用(14L)               │

  │ 干渉ガス :二酸化硫黄                      │

  │ 影響   :塩化水素の1/10以上二酸化硫黄が存在すると、真値よりも │

  │       高い値まで変色する。                 │

  +−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−+





5 使用済検知管の処分

 1)使用後の検知管は、けが防止のため元の容器に戻す。

 2)硫化水素検知管には無機水銀を含有するので、特別管理産業廃棄物として法令に従って適

  正処分する。

 3)二酸化硫黄、一酸化炭素、二酸化炭素、ふっ化水素、塩化水素検知管は、産業廃棄物の「ガラ

  ス及び陶磁器くず」として適正処分する。

 4)その他の検知管については含有物質を説明書で確認し、法令に従って適正処分する。