3D積層造形に向けた融体物性測定に関する研究

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Ti-6Al-4V合金は高強度で耐食性に優れる合金であり航空機材料や生体材料としている.また,Co-Cr-Mo系合金は高強度で耐摩耗性,耐食性,生体適合性に優れる合金であり人工関節や義歯などのインプラント用の生体材料として広く利用されている.

近年,3D積層造形法が注目を浴びている.この方法では鋳型を用いないで歩留まり良く複雑形状の最終製品を得ることができ,少量・多品種の生産が可能となる.また,造形条件の最適化によって従来の鋳造技術では困難な組織制御が可能となる.組織制御に重要となる凝固速度や温度勾配を数値シミュレーション解析を行うには融体の正確な熱物性値が必要になる.

当研究室では,3D積層造形法に用いられるTi-6Al-4V合金やCo-Cr-Mo系合金など溶融合金の熱物性値(密度,表面張力,垂直分光放射率,定圧モル熱容量,熱伝導率)を静磁場印加電磁浮遊法を利用した超高温熱物性計測システム(PROSPECT)によって高精度に測定している.

 

溶融合金の熱物性値測定

静磁場印加電磁浮遊法を用いて溶融合金の熱物性値を評価
密度,表面張力,垂直分光放射率,定圧モル熱容量,熱伝導率
電磁浮遊法
無容器法のため保持容器からの汚染がない静磁場
溶融合金の表面振動,並進運動,内部対流を抑制可能
→  過冷域を含む広い温度で融体物性が測定可能
図1(融体物性測定) 図2(融体物性測定)

 

レーザー周期加熱カロリメトリー法

図3(融体物性測定)  図4(融体物性測定)

位相差 Δϕs と温度振幅 ΔTac を測定して解析することで溶融合金の定圧モル熱容量 CP と熱伝導率 κ を評価