TM 秩父研究室 H22年度
東北大学 多元物質科学研究所

窒化物ナノ・エレクトロニクス材料研究センター

■はじめに

Planet Conscious Laboratories
秩父研究室では
光と電子の機能融合に基づき低環境負荷半導体材料を用いた機能性光・電子デバイスの形成を目的とし、大気を構成している窒素(N)や酸素(O)が主原料であるGaNやZnOを基盤とする「ワイドギャップIII族窒化物半導体、II族酸化物半導体材料・ナノ構造・デバイス」を取り上げ、その基本技術であるエピタキシャル成長を通じてメゾスコピック・ナノ構造の創成を行い、時間空間分解による光量子物性等の学際的な研究を行う一方、量子効果デバイス(紫外線・純青・純緑色半導体レーザーや光と励起子の連成波デバイスなど)の形成など、システムからデバイスの理解、層構造形成や結晶成長などのものつくりにも重点をおいています。
 



■環境と地球に優しい半導体

「窒化物半導体」

窒化ガリウム(GaN)は InNやAlNと混晶化させることでバンドギャップエネルギーを0.65〜6.04eVまで変化させることが出来ます。このため光通信波長(近赤外線)、可視光、紫外線領域を全てカバーできる発光・受光素子材料として応用が可能です。最近では、窒化物半導体を用いた純青色・深紫外線領域で動作する発光素子開発が盛んに行われています。

「酸化物半導体」


酸化亜鉛(ZnO)は励起子の束縛エネルギーが59meVと大きく、MgZnOとのヘテロ構造において「励起子効果」が顕著な高効率紫外線光源材料として、また超低閾値紫外線コヒーレント光源(ポラリトンレーザ)への応用が期待されています。 

様々な半導体のバンドギャップエネルギー



  ■平成22年度の研究テーマ
窒化物・酸化物半導体量子・ナノ構造における光学遷移過程の解析
  (一部は科学技術振興機構中村不均一結晶プロジェクトテーマ)
AlGaInN 系超薄膜のアンモニア分子線エピタキシー(NH3-MBE)成長と光物性
酸化物半導体MgZnOのヘリコン波励起プラズマスパッタエピタキシー
非極性GaN系量子構造の有機金属化学気相エピタキシー(MOVPE) 成長とデバイス化
Cu (Ga,In)Se2カルコパイライト型化合物半導体の成長と
  高効率薄膜太陽電池の光物性・試作  (東京理科大学との共同研究)



  ■主な実験設備
秩父研の所有するいくつかの実験設備は自作によるものです。
有機金属化学気相エピタキシー(MOVPE) (大改造/半自作)
アンモニア分子線エピタキシー(NH3-MBE) (ガス系は完全自作)
ヘリコン波励起プラズマスパッタエピタキシー(HWPSE) (自作)
ヘリコン波励起プラズマスパッタ(HWPS) (プロトマシン・SANYU電子と共作)
電子ビーム・抵抗加熱蒸着装置 (自作)
高精度擬似9軸X線回折装置
原子間力顕微鏡(AFM)
走査型電子顕微鏡(SEM)
フェムト秒チタンサファイアレーザ
空間分解SEM/カソードルミネセンス(CL)複合装置 (改造)
温度可変カソードルミネセンス(CL)装置 (自作)

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