当研究室では、金属学に基づく視点から新たな構造と機能を有する金属・合金に関する基礎研究および材料開発を行っています。
研究の柱は、バルク金属を対象として優れた触媒機能を持つ金属・合金触媒を設計・調製することであり、特に各種金属・合金への活性化処理(リーチング、水素吸蔵、酸化など)を行うことによる新奇触媒材料調製プロセスの開発を行っています。また同時に、準結晶関連物質(ハイパーマテリアル)の新規合成やX線構造解析、構造モデリングにも取り組んでおり、得られた知見に基づいてハイパーマテリアルの触媒材料としての応用の可能性を探求しています。このように、従来の触媒化学的な視点・手法では得られないユニークな金属組織・形態と触媒機能の有する触媒材料創製を目指して研究を行っています。最近の成果として、例えば、触媒的に不活性と思われてきたバルク状金でも触媒活性サイトとなる低配位数(配位不飽和)のサイトが形成されるような活性化処理を施すことで高いアセチレンの部分水素化活性を示すようになるなど新奇機能の発見とその活性発現機構の提案を行いました。