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LIBの合剤電極中に生じる反応分布形成挙動のoperando観察


現在、リチウムイオン二次電池(LIB)は、スマートフォンやラップトップPCなどの携帯機器用電源として幅広く利用されています。一方で近年では、電気自動車用電源や大規模発電施設の蓄電デバイスなどの、高出力用途への応用も拡大しつつあります。しかし、こうした高レート条件での充放電では、電極内部の電気化学反応が不均一に進行してしまい、その結果、容量が著しく低下することが指摘されています。高レートでの充放電でも高い容量を維持する電池を開発するためには、電池内部でどのように反応が進むのかを明らかにし、そこから得られた知見に基づいて電気化学反応を円滑に進行させ得る電極を設計することが重要となります。そこで雨澤研究室では、電池の実動作中(operando)に合剤電極内で起こる電極反応を、直接“見る”ための技術開発を行っています。電極反応のoperando観察には、二次元X線吸収分光法という技術を用いています。二次元に広がりを持ったX線を充放電中の電極に入射し、その透過X線を蛍光板で可視光に変換した後、CCDカメラで記録します。この操作を入射X線のエネルギーを変化させて繰り返すことにより、原理的にはCCDカメラの一画素ごとの位置分解能でXAS測定を行うことが可能となります。これにより、電極のどこで、どのように反応がおこっているのかを二次元マッピングとして評価することができます。雨澤研では、下図のようなイオンの出入りを電極端部に制限したモデル電極を使用し、合材正極中で起こる反応を、operando観察することに成功しています。