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固体酸化物形燃料電池用空気極における電極反応のoperando測定


 固体酸化物形燃料電池は、高温、特殊雰囲気、通電といった、一般的な材料評価手法の適用が非常に困難な条件下で作動します。そのため、固体酸化物形燃料電池のoperando測定は容易ではありませんでした。雨澤研究室では、X線吸収分光法(XAS)を適用することにより、固体酸化物形燃料電池のoperando測定を可能とする技術の確立に努めてきました。その結果、これまでに高温、特殊雰囲気、通電した状態での電極、電解質材料の分析が可能となっています。近年では、この技術をさらに発展させ、数マイクロメートルの位置分解能を有するマイクロXAS測定、数10~100ミリ秒の時間分解能を有する時間分解XAS測定、数ナノメートルの深さ方向分解能を有する深さ分解XAS測定など、固体酸化物形燃料電池の様々な高度operando測定に世界で初めて成功しています。その一例が、別項でも述べた、固体酸化物形燃料電池用空気極における電極反応場の評価です。雨澤研究室では、高温、制御雰囲気、通電時における電極反応場のoperando測定が可能な試料ホルダを開発するとともに、兵庫県にある大型放射光施設SPring-8で得られる高輝度X線を利用することで、空気極内で電極反応場がどの程度の広がりを持っているのかをマイクロメートルオーダーで評価することに成功しました。