July 2005,
Pr添加ルテチウムガーネット (Pr:LuAG) |
6ナイン以上の超高純度鉄 | 高分子ナノシート接着銅電極 | |||
癌・アルツハイマー等の難病診察に用いる陽電子放射断層撮影装置 (PET)用シンチレータはCe3+の5d-4f遷移を用いたCe添加のルテチウムシリケート(Ce:LSO)やガドリニウムシリケート(Ce:GSO)が 最先端材料ですが、これらを用いたPETでは医療現場が要求する1mm以下の分解能は得られておらず、また、劈開性・高融点等のために歩留りが悪く高価となり、新材料の出現が望まれています。最近、特定の酸化物・フッ化物でPr3+の5d-4f遷移の発光が観察されました。特にPr添加ルテチウムガーネット(Pr:LuAG)は密度・発光量が最先端のCe系と比肩し、蛍光寿命は半分以下で立上がりも早く、時間分解能はGSO比1/4以下という優れた特性を有するので、Pr系シンチレータをPETに用いることで分解能向上が期待されます。結晶の生産性にも優れるので、今後の高密度化・高品質化等の特性向上に加え、量産法が確立されれば既存の材料を置替えるものと期待されております。 | ||
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Pr添加ルテチウムガーネット (Pr:LuAG) |
6ナイン以上の超高純度鉄 | 高分子ナノシート接着銅電極 | |||
鉄はシリコンと化合(β-FeSi2)させることで、 赤外域の受発光素子になる材料として活用できるが、従来は純度が99.99%程度と低く、半導体材料として 要求されるような純度(6ナイン=99.9999%以上)の超高純度化は困難といわれてきました。 今回、塩酸溶液から不純物金属イオンを選択的に吸着除去するイオン交換樹脂を用い、かつ高温の プラズマ中で水素をプラズマ状態にしておいて鉄に含まれる酸素と結合させて水にする超微量不純物除去法を 確立しました。これは6ナイン以上の高純度鉄の量産化に世界で時初めて成功したもので、鉄は資源量が豊富で 毒性がないため、今後従来の半導体素材から鉄に切り替えが進むものと大きく期待されています。 | ||
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Pr添加ルテチウムガーネット (Pr:LuAG) |
6ナイン以上の超高純度鉄 | 高分子ナノシート接着銅電極 | |||
携帯電話やデジタルカメラ等の電子素子に 使用されるフレキシブルプリント基板(FPC)は、耐熱性プラスチックに銅を配線しているため、 表面を荒らすことにより接着強度を上げておりました。そのため、素材を確実に密着するナノレベルの技術が なく、銅の厚み等の問題から銅配線の間隔を狭くするには限界がありました。今回、光反応性の高分子ナノシートを ナノ接着剤として用い、これを100層集積した後に光硬化させ、無電解メッキ法により銅をプラスチック上へ 固定化することに成功しました。接着層は極めて薄く平らで均一な厚さの動線を形成できることから、銅をより高密度に集積する微細配線技術への応用が期待されています。 | ||
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